知的謙遜って大切だと思う
校長の福田です。
しばらくブログを村川先生に任せっきりだったので、反省して久々に登場します。 本日は共通テスト2日目です。波乱の様相を呈していますが、これについての感想はまたどこか別の機会で書きます。
本日は、この試験真っただ中にあえて“学力”と同等かそれ以上に必要である能力について書きます。高校生が大学に進学して、社会に出ていく上で学校ではあまり教わらない価値観ですが、世の中では当たり前に言われていることだと思います。
タイトルにもある“知的謙遜”とは。
既にご存じの人もいるかと思いますが、Google が入社試験で最も重要視する必須スキルと言われているアレです。 この知的謙遜が低いと、Google に入った時点で満足してしまい、その人の成長は止まり新しい技術にも対応できなくなってしまいます。 だからこそ Google は知的謙遜の高い人を求めているわけで、現時点での「スキル」や「経験」なんてものはすぐに学べるし、これからの新しい時代を切り拓いていくのは、知的謙遜が高い人だと言えるでしょう。
では、知的謙遜とは何なのか?
自分の実力を客観的に見て、自分を卑下することも調子に乗ることもなく、 新しいものを学び続け、成長し続けるためにはどうすればいいのかを考える というのが知的謙遜となります。
自分は「頭がいい」とか自分は「スゲー」というような思い込みに左右されず、 ありのままに物事を見ることができるようになることが重要で、 分析能力が高くトラブルや困った事が起きても冷静な判断を下すことができるのです。
知的謙遜が高いという定義は 以下の6つの要素を持っているということです。
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①エゴを切り離す →自分の過去の経験などに捕らわれない
②知識の有限さを知っている
③知識の限界を認めたいという意識があるか
④自分の知性に自信をもってはいけない →人間はバイアスに支配される
⑤自分の意見を変えることに躊躇しないこと
⑥他人の視点に対して敬意を払う
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なるほどなぁって、思いますよね。
知的謙遜がない人(乏しい人)は「勉強しなくなる」と思うんです。 だから、大卒時点とか、転職時点とかの能力(スキル)が高くても、みんなの前では上手にプレゼンテーションして誤魔化したとしても、長期的に見れば「知性が発達するスピード」が遅い、もしくは「その時点以降成長しない」という事だろうと思えます。
人間には「平均以上バイアス」というモノがあって、自分の能力が高いとは思っていないにしてもそれでも「平均以上にはいる」と考えるものだそうです。
特に、知識や能力がない人ほど自分は平均以上だと思うという「ダニング=クルーガー効果」って有名ですよね。 そして知的謙遜がある人(高い人)は、失敗したとしても、そこから学び、取り戻すのです。
成功は「他人のおかげ」、失敗は「自分のせい」と考え
・How(どうやって)について考える
・Why(なにゆえ)について考える →抽象的に理由を考えることができるので、失敗は繰り返さないし、成功は再現性の高いものになる
2000年、ジョージ・メイソン大学の研究レポートによると以下のような点に注意して、学びを深めることで、知的謙遜が高まるとのレビューがあります。
1.情報源の複数化
同じ情報ソースばかり活用しないということ。 普段は話しをしないタイプの人と話す(他県の人、苦手だと思っている人)。 自分が読まないタイプの本を読んでみる。
→その逆パターンがダメになっていく人ということ
2.自分は「客観的ではない」と定期的に思い出す
自分のバイアス(偏り)に捕らわれるとチャンスを逃すことになる。 だから成長するチャンス、成功するチャンスをモノにする人は敢えて、自分が知らないところに挑戦しに行くことで、「教えてもらう気持ち」になることができると考える。
3.異なる意見のベストポイントを探す
他者の意見に敬意を持つことが大事。 人間、どれだけ訓練してもバイアスから逃れることはできないのだから、無理やりにでも「異なる意見」の中から「良いところ探す癖」をつける。 最初から「ベストを見つけてあげることに集中する」と、その話もよく聞こうと思い、ポイントを押さえられる。
4.他人の視点を採用する
もし自分があの人だったら...と考える。 相手が「どう言うか」ではなく、「どのように考えているか」を思考する。 自分が逆の立場であればどうするかを考えるということ。 人間は、同じ状況では同じような思考になるはずだ。 →ゆえにライバルであっても、相手の心を読めるようになる
長くなりましたがざっとこんな感じです。どうでしょう? 社会がどうこうの前に、大学においても同じことが言えるのではないかと思います。 入学することがゴールではないですよね。
私はこれからも校舎のHR等で勉強以外にも必要な思考を伝えていこうと思います。 みなさんには、本当の意味で社会・世界で活躍できる人材になってほしいです。